部下というのは、決して自分の都合のいい駒ではない。同僚であり、チームメイトであり、仲間でありというありきたりな関係でいい。そして、いずれにしたって、大事にしておいて損なんてないと僕は思う。
昨日、僕の部下は悩んでいたようだった。コミュニケーションがうまくいかないという自覚があるらしく、これから一人で業務を進めていく上で必要なことだから教えてほしいというような相談があった。
例として、友達との喧嘩を挙げてきた。
友だちと勝負事で遊んでいる時、友達が悪態をついてきたので、二度とこの遊びやらなければいいよ、とボコボコに言い返してやったらしい。
彼曰く、悪態をついて喧嘩をふっかけてきて、喧嘩をふっかけてくるということは自分のことを下に見ていて舐められている、そういう奴には思い知らせなければならない、とのことだ。
これに対して、僕はいくつかの確認を行った。
なぜ、思い知らせなければいけないのか。
舐められていると何がいけないのか。
ふっかけてきた喧嘩を買った理由は本当にそんな理由か。
相手が悪態をついた理由を考えたことはあったのか。
想定通り、彼はいずれにも答えることが出来なかった。
言うなれば、その感情に対する理解が足りない、と彼に伝えた。
コミュニケーションというのは、目的があって行う行為である。
特に仕事においては、目的が達成できない会話ややり取りはそれこそ無駄と言っても過言ではない。
しかし、感情というものが阻むことがしばしばある。
そうなると、阻まれないようにまずは自分の感情を理解しないことには始まらず、
それが出来なければ、相手のことを理解することは困難を極め、
むき出しの感情をぶつけ合うだけの野性的なやり取りになってしまう。
それでいいなら、構わないのだけど。
彼はそこで感情的になってしまい、相手より優位に立たないと気が済まないことを悩みにしていたので、考慮すべきところがあった。
細かい話も色々していたが割愛する。
そして、相談の終盤では釘を刺すようにこう言った。
「と、ここまでの話を理解してくれたとしても、未だに君は“やってやった!俺は間違っていない!”って思っているに違いない。顔には出ている。自分が優位にいるのだと自然に考えてしまっていることすら、多分今は自覚出来ていないんだと思う。ここで思い返せないようでは、今後も対話そのものに苦労すると思うよ。目的を忘れないで。争うことが目的ならばそのままでいいけどね。」
偉そうに言ってしまったけど、彼の今後の会社員人生に有益なことを言ったつもりでいる。
これこそ僕のエゴではあるが、少なくとも今の立場になるまでにやってきたことではあるのだ。
少しは自信を持ったっていいんじゃないか。
今はとにかく、彼の成長に期待しよう。
ももも、マリモ7号でした。
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